永井ギャラクシー つくる部

関西を拠点とするウェブ制作チーム。あらゆる“つくる”にまつわる日記。つくる部部長(つ部長)が担当します。好きな時に更新します♪

Mastodonが定番化するのに必要なことを考えてみた

お久しぶりです。せ部長のほうです。

実は本業のウェブ制作とは別に、永井ギャラクシーの2人でマストドンインスタンスを運営しています。

マストドンとは、SNSが作れるオープンソースのソフトウェアです。「分散型」という大変興味深いコンセプトを持ったツールです。

インスタンスとは、マストドンを使って作られたそれぞれのSNSのことです。それぞれのSNSは互いに繋がりあうことができるので、マストドン全体でひとつのSNSと呼んでもいいのかもしれません。

そんなマストドンを使ってどんなインスタンスを立てたかというと、フリーランスを含めたあらゆる個人活動を応援するインスタンスです。その名も“ぎんがどん”と言います。

自分たちが個人単位で活動していて、このままフリーランス続けていけたら幸せだなー、私たちみたいにフリーが向いてる人もっといるんじゃないかなー、そういう人たちがもっと活躍すると世の中楽しくなるんじゃないかなー、という気持ちで始めました。

マストドン自体は、4月の半ばにドカンと爆発したのをご存知の方も多いと思いますが、今はかなり落ち着きを見せています。

でもマストドンの中にいるとめちゃくちゃ楽しいし、日々いろんなことが起きています。

ということで、マストドンを愛する者として、つ部長と2人でマストドンが定番化するために必要なことを考えてみました。

プラグイン機能の追加

これはつ部長が言っていたことですが、マストドン本体にプラグイン機能がつくと技術者の皆さんが拡張しやすくなるようです。今はマストドン本体を拡張しても、バージョンアップしたときにマージし直すのが大変、みたいなことがあるようですが、プラグイン機能があると、そういった手間やリスクが減らせるらしいです。マストドン会議4でもちらっとそんな話が出ていたような…。(しかし今のところないということは、マストドン作者の考えに沿わないのだろうか?という疑問はあります。)

マストドンホスティングサービス

海外にはすでに、“Masto.Host”というサービスがあり、月500円ちょっとからインスタンスが立てられるようで、アップデートなどのメンテナンスもやってくれるようです。

Masto.Host - Hosting for Mastodon Instances

さくらインターネット研究所所長の鷲北さんという方が、このようにトゥート(=ツイッターのツイート)しておられるのを見ました。

日本でmasto.hostみたいなのやる人いませんかね。そういう人をサポートするのは得意なんですが。 #マストドン会議

インスタンスを立てるのはスタートアップスクリプトで割と簡単なんですが、その後のメンテナンスが大変なんですよ… #マストドン会議

 私たちもインスタンス立ててみましたが、結構インフラの知識が必要なようでつ部長も苦労してました(インフラの勉強を兼ねて、Dockerやスクリプトを使わなかったということもあるのですが)。うちはまだやってませんが、他の管理人の方で、バージョンアップに苦労されている声を見かけたりします。

そんな理由で、WordPressや昔のMTのようにクライアントさんに提案するにはハードル高いなぁ~ということを言っていましたが、マストドン専門のホスティングサービスがあればかなり導入のハードルが下がりそうです。

…と言ってたら、無料のサービスが!

Hostdon Beta | Mastodonの無料ホストサービス

さらにmasto.hostの日本語のサイトも見つけました。

jp.masto.host

さすが黎明期のマストドン。スピードを感じます。

テーマインスタンスの成功事例

これはマストドン会議4で名刺交換したラジオ局の方がおっしゃってたことなのですが、テーマを持ったインスタンスの成功事例が出てくれば、マストドンを上司やクライアントさんに説得しやすくなるのでは、ということでした。確かに今のところ、mstdn.jpやPawooなど大きなところは目立ちますが、テーマ性を持ったインスタンスの成功事例はまだまだ一般の人たちの目には届いてないのかもしれません。

などと言っていたら、一昨日くらいにPawoo musicがリリースされました。すごい機能拡張が施されていて衝撃でした。成功事例になりうるかという感じですが、これは次元が違いすぎるので、もう少し身近な成功事例も必要かなと思います。

技術とコンセプト(コンテンツ)の並立

これもマストドンのタイムラインで見かけた意見ですが、今のところマストドンは技術者の方が技術的興味で立てられたインスタンスが多いようです。だけどインスタンスを運営していく上では、コンセプトやコンテンツ設計など、いわば文系の力も必要なのではないか、技術とコンセプトの両輪が揃えば安定的に運営できるのではないか、というお話でした。

確かにマストドン会議2でお話しておられたPawooの方も、技術担当の方とコンセプト面担当の方両方いらっしゃいましたね。一応うちも技術担当のつ部長と私とで、コンセプトを大切にしながらやってますので、なんとかいい感じで運営していければなと思っています。

不適切な投稿の監視技術

運営の負担はいろいろあると思いますが、一番はやはり不適切な画像や発言があった場合の対処ではないでしょうか。

これについては、マストドン会議4で、“Naumanni”を開発された清水氏が、AIを使ったスパム判定のお話をされていましたが、そういった技術が一般的になれば、インスタンス運営の負担がかなり軽減されるのではないかなと思いました。

UEIとグルコース、マストドンに深層言語解析技術 「Deep Analyzer」によるスパム報告・判別機能を導入 6月10日より実証実験開始 | ニュース | 株式会社UEI

SNSの監視を代行してくれるサービスもあるようですが、そちらはまだまだコストがかかりそうです。

また、絵や創作などの表現を扱うインスタンスでは、何をもって不適切とするかの基準を設けること自体が難しいという別の問題もありそうに思います。

他のSNS、他のツールとの違いの説明

ツイッターと何が違うのか。WordPressなどのブログやCMSを導入するのと何が違うのか。その辺のことがまだまだ明確に周知されていないかも、とも思います。

ツイッターとの違いは、実際やってみると肌で感じ取れると思います。ローカルタイムラインでエアリプで会話する楽しさとか、他のインスタンスの人をリモートフォローする楽しさとか。たとえるなら、ツイッターは青空の下の大きなお花見会場って感じでしょうか。マストドンは(特に小規模インスタンスは)、地下の居酒屋の半個室での二次会みたいな雰囲気でしょうか(個人の感想です)。

しかし、企業がマストドンを導入するメリットは、まだまだ説明不足、というか、メリット自体が不足しているかもしれません。でも、ここまでに書いてきたことが揃ってくれば、充分提案できる状態になっていくのでは?と期待しています。

マネタイズ

マストドンやったらなんか儲かるんか?という話ももちろん大事だと思います。(もしかしたら一般化するのに一番関係がある話かもしれません。)

 

その他、設置や運営ノウハウの蓄積とか、インスタンスのコンセプトを明確にするとか、いろいろあると思いますが、それらが揃うと、私たちウェブ屋もお客さんに提案しやすくなって、インスタンス立てる人、参加する人、両方増えるといいなと思います。

 

合わせて“ぎんがどん”のほうも、個人で活動してる人、そんな個人を応援してやろうやないかという方々のご参加をお待ちしておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

gingadon.com